2013年10月24日木曜日

担保の設定に関して(対象となる建物が保存登記されてない)(対象となる土地の上に滅失すべき建物がある)

■設定の対象となる建物が保存登記されていない

担保の設定をするためには
所有権保存登記されていなければならない

→表題登記のみの不動産について設定を行いたい場合、
  保存→設定を連件でだせば時間もかからない(ただし、銀行にそれでOKか確認してから)

■設定の対象となる土地の上に滅失すべき建物がある

対象となる不動産の所有権が登記されていれば、問題なく登記できるのか
と思っていたが、
当該土地上に滅失すべき建物がある場合、
銀行が融資にNOということが多いらしい。


抵当権を実行する場合、
土地が売れなかったり、
新しい建物を建設したいのに、壊せない
ということになっては困るので。

かんがえてみればそうだなあと。

◆◆
注意点のまとめ。

①建物に設定する場合、保存登記できていない場合、
   設定と連件で出していいか銀行に確認する!

②土地に設定する場合、上に不要な建物がないか確認する!


①②とも、銀行の方でも調べるはずなので気づいていなくても
いつか判ることだけれど、円滑に手続きを行うために。


2013年10月23日水曜日

売買~利益相反でないとき(事例)

売買による所有権移転登記


売主:Aさん
買主:会社B


Aはかつて会社Bの取締役だったことがある。
しかし、売買契約締結当時には、取締役でなかったことは
Bの閉鎖謄本にて確認済である。

よって今回は利益相反にはあたらないということで
議事録を付けずに登記申請した。



法務局より電話。

利益相反にあたらないか?

法務局の手元にあるのは、
添付書類として提出している、資格証明書としての履歴事項全部証明書。
これには会社の過去3年分の情報が記載されており、
それによると売主Aは会社の取締役となっている。
それゆえに法務局としては上記のような可能性を考えた。
(当然。申請したこちらもそう思って閉鎖謄本をしらべたのだから)




閉鎖謄本 添付した方がよかったですか?



添付しなければならないものではない。

でもそうしてくれると助かる。

司法書士作成の登記原因証明情報に、
利益相反にあたらない旨を記載しておいてほしい。
(今回は法務局担当者が記載しておく)



こういう対応は、法務局担当者と司法書士との
信頼関係ができているからこそ、とは思う。

■結論■
履歴事項全部証明書を見て利益相反の可能性が疑われる場合、
登記原因証明情報に、利益相反にあたらない旨を記載しておく


今回は、3年以上前の売買による登記であり、
かつ売主は死亡しており、
かつ売渡証書などが存在していない
(=登記原因証明情報を作成する)
という特殊な状況であった。


2013年10月19日土曜日

添付書類の援用

不動産登記規則
(添付情報の省略)
第37条 同一の登記所に対して同時に2以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、1の申請の申請情報と併せて提供することで足りる。
2 前項の場合においては、当該添付情報を当該1の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。



例)
①2連件の申請人が相異なる場合、同一の住民票に記載がある場合でも
援用することは不可。
2-1 住民票(原本還付)
2-2 住民票(原本還付)

②2連件の申請人が同一の場合
2-1 住民票(原本還付)
2-2 住民票(前件添付)

③相続登記の登記原因証明情報
2-1 登記原因証明情報(原本還付)
2-2 登記原因証明情報(一部前件添付、  ←協議書、印鑑証明?
                 一部原本還付)  ←戸籍謄本一式?
                               ※相関図が異なるので還付手続が異なる
                                 から??
                  





2013年10月18日金曜日

権利証などが無い場合の売買

■事前通知制度


①登記の申請

②登記官が登記義務者宛に郵便を発送

③登記義務者が所定の期間内に登記所に間違いないことの申出をする


このようにして本人に間違いないことを確認する制度。
下に比べて費用の節約になる。


■資格者代理人による本人確認制度


司法書士が本人確認情報を作成し提出する。
運転免許証などの写しを付け、文書を作成する。
上に比べ、司法書士報酬が余分にかかることになる。

2013年10月14日月曜日

サイン証明~相続人の住民登録が日本にない場合

相続による所有権移転において
相続人が日本に住民登録がない場合に、
添付書類をどうすればよいか。


〇住民票がとれない。

⇒住所を証する書面として、
  日本の現地在外公館にて居住(在留)証明書を取得する。




〇印鑑証明がとれない
  住民登録がないので印鑑登録ができない。
  つまり添付書類として印鑑証明を提出できない。


⇒代わりにサイン証明を取得する。
  ★取得方法
    ①必要書類:パスポートなど日本国籍を有していることの確認できるもの。
            遺産分割協議書(署名すべき書類)
    ②場所:在外公館
    ③方法:申請する本人(相続人。代理人不可)が公館へ出向き、
         その場で署名及び拇印押捺し、
         在外公館が発行するサイン証明と綴り合わせて割印する。
         
         ※事前の署名及び拇印押捺は不可。
         している場合は、抹消した上で再度余白へ行う。


◆◆
売買のとき??




2013年10月11日金曜日

遺産分割協議書~造作について

税理士事務所から遺産分割協議書の素案をうけとった際、

財産の欄に

「蔵修繕費 〇〇区〇〇番地」

と記載があり、

「あれ、これって債務じゃないの…???」

と思って、よくよく聞いてみると

造作=修繕や改修により家屋の価値がアップした分

ということらしい。
とは言っても「修繕費」と記載すると、どうも債務っぽく見えるので

「造作/蔵修繕/〇〇区〇〇番地」
と記載することに。


★〇〇区〇〇番地の家屋も別途財産として記載があるので
 財産が重複するのでは?
 →固定資産の評価は、建物の面積が増加した場合にはアップするけれど
  改修や修繕ではアップしないので
  家屋の評価額には反映されていない。よって重複していない。

★記載は必要?
→税務の申告のために必要。
 改修や修繕費用として使用した分、預貯金が減少しているので
 どこにつかったかという話になる。

◆◆
今回感じたのは
遺産分割協議書は普段、不動産登記・司法書士・遺産相続の立場から考えるけれど、
税の申告・税理士という立場からも考慮して作成しないといけないな、ということ。

司法書士の立場だけならば、
不動産がしっかり記載されていれば良いけれど、
作成した遺産分割協議書が申告で役に立たないとあれば
お客さんも困ってしまう。

2013年10月9日水曜日

謄本について(法人)

会社の設立から現在のことを知りたい。

************************************


①履歴事項全部証明書(3年まえ~現在
   
   平成元年法務省令第15号附則第3項の規定により平成11年〇月△日移記
 
   (※平成17年法務省令第19号附則第3条第2項の規定により の場合もある)
   

②閉鎖事項全部証明書(コンピュータ化~3年まえ


③コンピューター化以前の閉鎖登記簿謄本(設立~コンピュータ化

   平成元年法務省令第15号附則第3項の規定により移記平成11年〇月△日閉鎖

   
************************************

③→②→①でつながるということらしい。

③と①とが、閉鎖の日付、移記の日付が一致していたので
③→①とつながっているのかと勘違いしてしまった。

しかし
では、間に②があるのになぜ一致しているのか。。。???

推測だが、ここには二つの考え方がある。

●コンピュータ化以前⇔以後で
登記簿謄本⇔全部事項証明書に大きく分かれる。
この変化において閉鎖→移記ということが行われる。

●また別の考え方として(コンピュータ化以後の全部事項証明書において)
 現在から3年前までは履歴事項証明書
      3年より前は閉鎖事項証明書
という分類もある。

この二つの考え方があるということをなかなか理解できていなかった。

つまり
会社設立がコンピュータ化以後かつ会社設立3年以内であれば、①のみ
会社設立がコンピュータ化以前かつ会社設立3年以内であれば、③→①
会社設立がコンピュータ化以前かつ会社設立から3年経過しているのであれば、③→②→①
となる。

当初②の部分がなく、①の移記の日付と③の閉鎖の日付が一致していても
年数がたつにつれ、会社設立から3年は当然経過するわけだから
コンピュータ化された閉鎖事項証明書(②)が存在するようになる。
この状態においても、コンピュータ化による移記の日付は変わる訳でないから、
最新3年の履歴事項全部証明書にはその日付の記載が残り続ける。
②が存在するのに①と③が一見つながっているように見える。


◆◆閉鎖事項証明書は会社設立3年すぎてから新たにできるもの。
時系列でできるものではない、ということがポイントか。






2013年10月8日火曜日

決済(抹消→移転)

甲乙間での土地の売買

債権者:A銀行
債務者:甲=売り主

債権者:B銀行
債務者:乙=買い主


Aの抵当権を抹消→移転→Bの抵当権設定

という流れだが、実際のお金の流れとしては
乙はB銀行から融資を受けることで当該土地を購入でき、
 (代わりに抵当権を設定する)
その代金を受領することで甲はAに弁済し、抵当権を抹消することができる。
A銀行の利益を考えるならば、抹消は最後に、したい。
(弁済が確実に行われる保証がないまま、抹消の準備をしたくない)


しかし、
決済の場面では、事前に確実に抹消できることがわかっていないと、
買い主乙に不利となる。
(抵当権つきの土地を購入しかねない)



そこで決済にたちあう司法書士としては、
①抹消の書類を事前に受け取って確認しておくか
あるいは
②A銀行の行員も決済に立ち会い、書類を確認させてもらうか
のいずれかをすべき。

今回、「移転後に抹消書類お渡しする、立ち会うのも無理。。。」
ということを言う銀行があって、
先生は若干憤っていた。

結局、立ち会うということで合意。


★根抵当権でしかも多くの分譲地の共同担保という場合、
極度額ぎりぎりまで融資していないことも多いので、
一つの物件の担保をはずすことに苦言を呈する銀行は
あまりないとか。
今回はまさにそのような事例であったし、
銀行の意図が本当になぞ。